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テックリードが語るPHC BXセンターで働くやりがい

テックリード / 奥山 平太

2021年入社 - 中途

BXセンターは2020年にメディコムの新サービス開発組織として組成され、現在ここで働くメンバーを募集しています。

今回は、入社一年ながらにして、テックリードとして活躍する奥山 平太さんにビジネストランスフォーメーションセンター(以下BX)へ転職した決め手や、新規事業を担うチームで働くやりがいを話してもらいました。

プロダクトをユーザーにいち早く届けたくてPHCへ転職

早速ですが、自己紹介をお願いします。

2021年8月に入社しました、奥山平太(おくやま・へいた)と申します。前職は中小のSES企業で開発案件の請負や、案件に応じて客先へ常駐しながら幅広い分野のシステム開発・保守・運用の経験をしてきました。

2013年に新卒で入ったので、最初は言われた通りにプログラムを書いて実装するところからのスタートでした。色々なシステムに携わるにつれ、”こちらの方がお客様にもっと伝わるよね”と改善提案する機会も増えていき、徐々に責任のある役割も任せてもらえるようにもなったのですが、事業会社で働きたいと思ったことで2021年にBXへ転職し今に至ります。

BXには元々エンジニアとして入社し、『きりんカルテ/web予約機能』のフロントエンド開発のインフラ構築を経て、今は『digicareアナリティクス』のテックリードとして働いています。

転職を決めたきっかけは何だったのでしょう?

プロダクトを直接ユーザーにいち早く届けたいという思いが強くなったことが転職を決意したきっかけです。業態柄仕方のない部分が大きいのですが、お客様に価値を届けるまでのプロセスが多くなりがちで、例えば1行コードを追記して動くものを実装するまでの意思決定に1週間待つこともざらで…。また請負としての関与上、直接ユーザーの声を聞けることは正直無く、間に人や書類といったプロセスが入ってきますし、フィードバックまでに1ヶ月掛かることも多々あったので、正直もどかしい気持ちがありました。

もちろん幅広い分野や多様なフェーズの案件を経験させてもらえたことは自身の成長になりました。ですが、ユーザーへより良いシステムや価値提供を考えると、今後は事業会社の立場で責務を果たしたいと思うようになりました。

いくつかの企業と比較しながら最終にBXに決めたのは、今思えば面接での質疑応答が面白かったのが大きいと思います。エンジニアとしての成長をし、かつ、プロダクトにどう落とし込むかをイメージしている方が統括の立場にいるのは魅力に映りましたね。

あと、今はコーディングテストの形式をとっているのですが、僕の際はペアプログラミングで既存のコードを適切な形に直すリファクタリングの選考で、その体験は他社にもなかったので印象的でした。ペアになった社員の方とのやりとりも含めて一緒に楽しく働けると思えたのも魅力でした。

入社前と入社後で印象が変わったところはありましたか?

変わったというほどのものではないですが、もう少しエンジニアがエンジニア然としていたり、勉強会ももっと多かったりすると思っていたので、ビジネスとしてのプロダクトをより早く世に出すこと、それに対しエンジニアとしてどう力を発揮できるのかがより強く求められているなと感じました。ちょうど入社したタイミングでその色が強くなったようです。

メディコム事業の基本方針にも”顧客志向”・”マーケットスピード”があるように、よりスピーディにプロダクトアウトすることを求められる状況は、自身の成長に必要なので良かったと思っています。

印象が変わったことではないのですが、入社して良かったと感じたことは、採用面接時に聞いていたスタンスが体現されていたことですね。当時の選考で、リファクタリングするにあたり”技術的負債をどうするか?”というテーマがあったのですが、一番ネックになるのはどこか質問したところ、「アーキテクチャ」だと、単純な読みづらさ回避ではなく設計部分から重視されている点を聞いていました。当たり前に思うかもしれませんが、実際にそこをちゃんとやれるのは素晴らしいですよね。

実際例として、今年(※2022年)の5月末にdigicareアナリティクスを製品版としてリリースしたのですが、それこそ技術的負債は生まれてしまいました。一気に作ったのもあったので、余分なコピペをしたコードもたくさん残っている状態で。このままだと保守面で課題になるので、今のうちから改修を始めた方が良いのではと開発側からPOに話を上げ、チームのエンジニアの一人が「こういうアーキテクチャで行きましょう」と旗を振り、設計から見直してフロントエンド・バックエンドともに6-7月にかけて一気に対応しました。

皆で一斉にやることですべてに行き渡らせることが出来ましたし、このタイミングで出来たこと、またそれをPOが承認判断してくれたことも良かったなと思いました。僕を含めたメンバーにとっても良い経験になったのではと思います。また副産物として、開発スピードが上がったのも良かったですね。

自分でやれそうなことは何でもやるのが自身の役割

テックリードの役割やお仕事内容についても教えてください。

ざっくり言うと、プロダクトをユーザーに届けるまでに何をすべきか(What)の意思決定はPO/PdMに任せているので、それを実現するための手段(How)や開発リソースを鑑みたスケジューリング(When)、タスクの棚卸しとその優先順位付けといった方針決定を主にやっています。とはいえ、ここまでが領分という意識では動いていないので、もちろん僕もコードを書きますし、チームメンバーと相談しながらPO/PdMとも摺合せをします。自分でやれそうなことは何でもやるのが自身の役割だと思っています。

少し文脈がずれるのですが、助けられていると思うことに、BXで大事にしているCoreValue(COTS(コッツ))の1つである”カスタマーの本質を深く理解する”があるので、ユーザーにとって何が必要か、何に困っているのかの視点での対話が自然にできているように感じます。改修可否の判断も出来るための選択肢を出せるだけ出すようにみんなも心がけているのではないかなと思います。

また、今後のチーム構成として、僕がテックをリードするところまでは出来ておらずどちらかというとPjM寄りのことをやっているので、Railsがゴリゴリに書ける人や技術に特化したテックリード経験者の方が入ってくれるとより良いフローで出来るのでは思っています。

コミュニケーションのコストやハードルを下げて量を増やすことで、一体感が生まれる

『digicareアナリティクス』の技術環境を教えてください。

こんな感じです(※2022年8月時点)。求人情報にも載せているので是非ご確認ください。

バックエンド:Ruby on Rails
Ruby:3.0.1
Rails:6.1.3
フロントエンド:Vue.js (Vue 2系)
ライブラリ:Vuetify (vuetify 2系)
フロントエンドデザインパターン:コンテナ・プレゼンテーショナルパターン
チケット管理:Jira
ドキュメント管理:Confluence
動作環境:Linux、Docker
ソースコード管理:GitHub
インフラ環境:Google Cloud(GCP)
CI/CD:GitHub Actons
開発スタイル:アジャイル

また、基本リモートベースで作業していて、Slack, Teams, Gather等を使用しコミュニケーションをとっています。ただ、チャットツールや必要な会議のみだと、雑談などが生まれにくく結果的にスピード感が下がりやすい場合もあるため、エンジニアチームは日中Teamsを繋いだまま雑談も交えつつ作業しています。コミュニケーションのコストやハードルを下げて量を増やすことで、一体感も生まれますし、仕様や設計についてやコードの書き方などの相談をしやすい様にすることで、開発スピードを保つように努めています。

薬局にとって価値がある情報は何か

『digicareアナリティクス』の開発背景を教えてください。

背景として、まず国は”医療費を下げたい”という大きな課題があります。門前薬局も増える中で全体の医療費を下げるために、国は薬局に対して”かかりつけ薬局になりましょう”と働きかけをしています。

色々な病院から処方箋を集めている薬局は優遇されるので、多くの薬局はどうすればかかりつけ薬局になれるのか、加算点数を増やせるかといった経営課題を持っています。
しかし課題を特定するうえで必要な、調剤売上のデータ収集・集計作業といった工数が現場を圧迫しているため、そこを代わりに負担するBIツールとしてdigicareアナリティクスをつくりました。

クラウドにデータ保持されるので、端末に依存せずいつでもどこでもリアルタイムで売上データにアクセスできますし、データ収集・集計作業の自動化はもちろん、過去実績との比較が出来るので、行った施策の成果も推移グラフで直感的にわかるようなUIに工夫しています。薬局にとって価値がある情報が何であるかを見据えて、今後も機能を拡張していく予定です。digicareアナリティクスを活用してもらい、経営改善のサポートができることを直近の目標としています。

また、課題の難易度も高いため長期目標にしていますが、将来的には処方箋データのみではなく、病院・医院・クリニック・診療所といった医療施設で持つデータと連携し、医療データの一元化やパーソナライズ化も視野に入れています。

 

現時点で感じる課題や、それに対して今後行っていくアクションを教えてください。

現状、処方箋に掲載されている情報は薬局に同意を得てデータを集めています。
データビジネスをするうえで課題となってくるのが、患者の同意が取れていないと、個人を特定できる状態でデータ分析を行うのが難しいことです。

最近やや緩和されてきたものの、データの二次活用の課題である個人情報保護との両立もあるので、アクションは慎重にする必要があると感じています。それが乗り越えられれば活用の可能性が広がり、経営改善以外に予防医療まで含めて視野に入れていけると思います。

現状、データ活用の可能性を視野に入れたアクションは先に上げた課題+個人合意を薬局側から取るプロセスも併せて検討する必要があるのでいったん保留にしています。その前にまずはdigicareアナリティクスを広く使ってもらい、処方箋データをたくさん収集できるためのアクションを優先する方針です。

良い意味でのプレッシャーが刺激になる

仕事の進め方に関して、前職との違いはありますか。

一番大きく違うのは待っている人がいないことです。仕方ない面も含めて、決めないと動けないという状況やそういった姿勢の人は一定居ると思うのですが、BXは自ら動いて進めようとする人が多いですし、またその受け入れも柔軟なのが違うと感じます。やらないと置いていかれそうになる良い意味でのプレッシャーも刺激になりますね。

個人的に感じたBXならではのポイントや面白み・やりがいを教えてください。

BXならではでいうと、大企業とベンチャーの良いとこ取りができるのがポイントかもしれません。PHCという会社単位で見ると組織規模も大きいですし、既存顧客もいるので堅牢性のある環境です。BXはそういったアセットを活用しながら新しいプロダクトの開発ができて、かつベンチャーのようなスピード感でチャレンジできるのが面白みのひとつだと思います。

また、決まったゴールに向かって走るだけではなくて、世の中のニーズに合わせてゴールは柔軟に変えていきますし、それに対してどう変えていこうか・どう変えていけるのかといわゆるアジャイルに考えて働ける環境も面白いです。

良いとこ取りとのことですが、逆に大企業故のしがらみややりにくさはありませんか?

もしかすると事業開発サイドはあるかもしれないですが、あったとしてもその辺りの調整は、PO/PdM側で吸収してくれているので開発側への影響は今のところ感じていないですね。ぜひ、他の方にも聞いてみてください。

落ちているボールを積極的に拾える人が活躍できる場所

こういう人と一緒に働きたい・こういう人は活躍するというイメージはありますか?

落ちているボールを積極的に拾える人が活躍できると思います。そこに面白みがある組織だと思いますし。COTS(コッツ)にもありますが、オーナーシップを持って、顧客が何に困っているかを考えられる人。欲しいものを言われてそれを作るというよりは、課題から何を作るべきかを考えられる人が良いですね。あとは、面白がり力の高い方や、テックが好き、特にオブジェクト指向言語やアーキテクチャ好きで勉強しているという方は大歓迎です。

最後に、入社を考えている方へメッセージをお願いします。

私たちと一緒に、面白いプロダクトを作っていきましょう!