PHC BXセンターのPdMが語る調剤薬局の課題とdigicare アナリティクスの面白さ
プロダクトマネージャー / 鐵穴 博満
2021年入社 - 中途

SaaS新商品「digicare アナリティクス」などを手がけるPHC株式会社のビジネストランスフォーメーションセンター(以下BXセンター)。BXセンターは2020年にメディコムの新サービス開発組織として組成され、現在ここで働くメンバーを募集しています。
今回は、digicare アナリティクス PdMとして働く鐵穴(かんな)さんに、BXセンターへジョインした経緯や業務内容、今後の展望やマッチする人材について話してもらいました。
より一人称で新規事業に携わるためにPHCへ転職
早速ですが、自己紹介をお願いします。
2021年4月に入社しました、鐵穴博満(かんな・ひろみつ)と申します。メディコム事業部のメインのお客様はクリニックと調剤薬局の2つですが、私は調剤薬局の方のPdMを務めています。
現在34歳で、PHCが4社目という経歴です。1社目が日系ITサービス会社でWebディレクターとしてUI/UX改善に従事し、その後、日系コンサルティング会社に転職し新規事業の戦略立案に従事しました。さらに外資系コンサルティング会社に転職し新規事業の戦略立案・実証実験の立ち上げを支援してきました。
転職を決めたきっかけは何だったのでしょう?
1社目の事業会社は既存事業のサイト改善を担当し使い勝手を磨き込むという意味で10→100に関わり、2社目の日系コンサルティング会社では新規事業をゼロから提案するという意味で0→1に従事し、3社目の外資系コンサルティング会社では実際に実証実験を立ち上げる意味合いで1→10を経験してきました。
コンサルタントとして実行支援するやりがいもありましたが、より一人称で新規事業に携わりたいと思い、これまでの経験を活かしつつ0→1、1→10、10→100ができるような環境を探したいと思ったことがきっかけです。
そんな頃にちょうど、PHCのBXセンターから声をかけていただきました。まさに0中の0、何をやるかから決めて良いというお話だったので、そこを魅力に感じて入社を決めました。
見える化と分析ができるツールを提供
具体的にどういったプロダクトを提供しているのでしょう。
「digicare アナリティクス」というビジネスインテリジェンスツールで、調剤薬局をお客さまとし、経営の見える化ツールを提供しています。
PHCの元々の事業であるレセプトコンピュータの中に、調剤薬局の売り上げデータや患者さんの情報がまとまっているのですが、情報が思うようにきれいな形で出てこないという問題がありまして。
「digicare アナリティクス」は、そのデータを吸い上げてGoogle Cloud プラットフォーム上で自動的に見える化と分析ができるプロダクトとなっています。
これはどういった業界の課題を解決するものですか?
調剤薬局では、日次で営業報告資料をオーダーに出すという習慣があります。多くの薬局で日常的に行われている業務なのですが、このデータをどのように取っているかというと「手書き」。手書きで紙に書き写しているか、多店舗展開している調剤薬局だと、本部が一度集めて全店舗分を集計し直し、巻物のようにエクセルに手入力しているのが現状です。
年単位でデータを追うために、エクセルの関数と格闘している薬局さんが多数。「digicare アナリティクス」では、それらをRAWデータで収集できるので、集計にかかる手間と課題である手作業の多さを改善できます。
「そもそもデータを抽出するのが大変」「集計するのが大変」「エクセルの管理が大変」から開放されるので、こういった課題を感じている方に刺さるツールになっているはずです。
魅力が伝わりにくいところが難しさ
プロダクトを提供する中で難しさを感じる場面はありますか?
「魅力を伝えること」が、難しいと感じている部分です。理由としてまだ業界のIT化が進んでいないことが挙げられます。クラウドの説明をすると「iCloudのことですよね」と言う方もいますし、RAWデータを抜くことに関しても、そもそも“RAWデータ”に馴染みがないので、胆力が要ります。
まだまだプロダクトの発展段階で、サプライヤーロジックになってしまっているので、業界におけるITリテラシーや慣習をどのように乗り越えていくかは、我々が改善していかなければならない部分ですね。
あとは、見える化した次のアクションに悩まれている薬局さんが多い印象です。本当は効率化される予定の作業に必要のないコストがかかっているはずですが、やることが“当たり前”になって数十年経ってしまっているので、効率化された後のリソースの活用方法の発想の転換ができない部分があります。
反対に、面白さを感じる部分はありますか?
プロダクト自体の面白さというか、お客さまから興味を持ってもらえているのは顧客の管理です。患者さんの管理ができていなかったり、自分たちの商圏を理解していなかったりという方が多く……。
従来の方法で商圏を知るには、1枚ずつ処方箋を調べて住所を手入力する必要がありますが、「digicare アナリティクス」では情報を抽出してGoogleマップに出せるようにしているので、どんなお客さまがどこにいるのか、商圏を簡単に把握できるようになるのです。この点は、興味を持っていただけることが多いですね。
また、私自身はエンジニアではないのでプログラミングはしないのですが、システム作りが楽しいと感じていたので、またエンジニアと一緒にこうやってプロダクトを作れているところが、個人的に面白さを感じている部分ではあります。
エンジニアに求められる能力は「柔軟性と目的意識」
現在、チームメンバーは何名いるのでしょうか?
ディレクターが2名と、エンジニアが5名ですね。
ほとんどがフルスタックエンジニアで、チームリーダーが1名、インフラ周りが1名、残りの3名はサーバーサイド寄りです。
あとは、マーケティング担当のメンバーと営業が1人ずついます。
PdMとして意識していることはありますか?
ビジネス要件と開発要件でぶつかった時は、譲れるビジネス案件はできる限り譲り、開発要件に仕様を寄せるようにしています。というのも、ビジネス要件のこだわりで無駄の工数を埋めたくないと思っているから。
ただ、新規事業なので、後から直すのが難しい骨格部分に関してはしっかりと時間をかけて作り込みます。そこの濃淡は意識していますね。
PHCのエンジニアにはどのような役割・能力が求められますか?
求められているのは、柔軟性と目的意識です。
今のメンバーには、「この機能は何を目的に作っているんだっけ」と考えられ、「そもそもこうじゃなくてこっちの方が良いのではないか」と提案してくれるエンジニアが多くいます。集団ドリブンではなく目的ドリブンで動いており、目的を達成するために往々にして方向転換をしています。
決めた当時はそれが最善だと思っていたけど、時には、状況が変わったり新しいものが見つかったりして「せっかく作ったけどやめよう」と決断することもあります。
それに対して「せっかく作ったのに」「決まったのにどうしてですか」と言うメンバーがほとんどいないので、PdMの私としてもやりやすいですし、目的に到達しやすいのかなという気がしています。そこに対する柔軟性は求められるのではないでしょうか。
サステナブルな医療制度を実現したい
鐵穴さんがBXセンターで実現したいことを教えてください。
抽象的な目標としては、サステナブルな医療制度の実現を、医療ITベンダーとして携われる部分に何かしらの貢献をしていきたいと考えています。
より具体的な話をすると、調剤薬局やクリニックの業務における課題を改善できる仕組みを、幅を広げて提供していきたいです。
ゼロから作れるチャンスが多く眠っている場所
最後に、入社を考えている方へメッセージをお願いします。
まだまだBXセンターという組織としても、取り扱うツールとしてもこれからなので、いろいろなものをゼロから作れるチャンスが多く眠っています。ちゃんとした提案を行えば、それを推進できる土壌はすごくあるはずです。
大きな会社に属していると、どうしてもさまざまな理由からできないことが生じます。弊社は良くも悪くも所与の条件がない組織なので、新しいことを提案したい方、組織の大きさやお客さまへの影響度を考えるとどうしてもチャレンジできなかった方にとって、稀有な場となることでしょう。
自己実現、自分がやりたかったことを提供できる場だと思っているので、そういう意識を持っている方や、医療業界に興味を持った方にぜひ来てもらいたいです。一緒に理想郷を実現しませんか?