家族の“病の経験”から医療業界へ。BX営業推進担当が語る業務と面白さ
営業推進 / 倉光 めぐみ
2021年入社 - 中途

リアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」などを手がけるPHC株式会社のビジネストランスフォーメーションセンター(以下BX)。現在私たちは、2020年にMedicomの新サービス開発組織として組成された、リーンに様々なチャレンジに取り組む組織・BXで働くメンバーを募集しています。
今回は、BXが提供する遠隔医療システムの営業推進を担当する倉光さんに、BXへジョインした経緯や業務内容、今後の展望やマッチする人材について話してもらいました。
実体験から“医療業界”を志す
早速ですが、自己紹介をお願いします。
BXの遠隔医療システムの営業推進を担当しています、倉光めぐみです。PHCには2021年11月に入社し、ちょうど1年が経ちました(※取材は2022年10月に実施)。プライベートでは、来月2歳になる息子がひとりいます。
お子さんがいるとのことで、どういったスケジュールで働かれているのでしょうか?
営業推進の業務ではそこまで外出がないので、週に1〜2回の出社が基本スタイルです。出社の際は9時に出勤し、定時の17時半で退勤。18時半までが保育園のお迎え時間なので、それに間に合うように会社を出ています。
(註:2023年4月より退社定時時間は18時に変更となりました)
リモートワークの日は、18時15分くらいまで仕事をして18時半に迎えにいくことが多いですね。平日は18時半から21時頃までが息子と過ごす時間なので、仕事が残っている場合はその後に少し作業しています。
あとは、営業案件も一部持たせてもらっているので、2週間に一度程度のアポの際は、先方へ訪問することもあります。出張はほぼなし、という働き方です。
PHCに入社するまではどのような業界で働かれていたのですか?
これまでは、通信業界で法人営業を担当したり、重工の会社で産業用ロボットの営業企画を行ったりしていました。
医療とは関係のない企業で働いてきたので、転職活動の際には「なぜヘルスケアなのか」、書類からは伝わりにくい部分を丁寧に伝えるように意識しました。
医療業界へ転職しようと思ったのはなぜですか?
私の父と祖父が糖尿病だったり、母が膠原病という指定難病に分類されるような病気だったり、祖母が脳卒中による後遺症で日常生活が一変する様子を目の当たりにしたりなど、身内に病気の人が多い環境でして……。
病気が人生を変えてしまう場面を目にしてきて「こういうことが起こらないようにできたらいいな」と思ったことが、医療の世界に興味を持ち始めたきっかけです。興味自体は、前職に勤めていた頃から持っていました。
その後、興味を持ってからすぐに転職したのではなく、仕事を続けながら医療者の方が集まるコミュニティに所属し、「病気の予防に関して何かできないか」ということからアクションを起こし始めました。そこでは、糖尿病や胃がん、大腸がんや子宮頸がんなど、エビデンスがある“予防できる病気”を周知しようと活動を行っていたんですよね。
ただ、もちろん予防も大切なのですが、私の家族のように“病気によって人生が変わってしまった人”にも貢献できるようにするには、さらに医療に踏み込まなくてはいけないと感じるようになりました。
遠隔医療という領域を知り、今後将来性もありそうですし、まさに自分の家族が苦しんでいるような状況の解決策のひとつになるのではないかと思い、その方面へキャリアを進めることにしました。
そのような経緯があったのですね。
そうなんです。そして、遠隔医療の中でもDtoD(Doctor to Doctor)という、医師同士を繋ぐソリューションに魅力を感じ、PHCへの入社を決めました。
というのも、例えば、母の指定難病はどの先生でも診察ができるわけではないし、高齢の祖父母が医師と直接繋がるオンライン診療を活用したいと思っても、なかなか自分でスマートフォンを操作して診療を受けることは難しいです。
そこで、医師や医療者同士のオンラインでの連携をサポートし、その先にいる患者さんが、遠隔にいる先生の診療を受けられるようにすることこそ、価値が高いのではないかと思うようになりました。住んでいる場所や抱えている疾患、機器操作のリテラシーなどの状況に左右されず、必要な医療を必要な人に届ける―この点にアプローチしているPHCに惹かれました。そして、事業フェーズ的に新規事業に取り組んでいく点にも面白さを感じ、決断しました。
「医療の質の向上、医療へのアクセスが悪い地域へ届けること」を実現
具体的にどういったサービスを提供しているのでしょう。
医師と看護師、医師同士などの医療者間のコンサルテーションや、医療者を介して患者さんへの診療を可能にするような遠隔医療の仕組みを提供しています。
サービスを提供することで、どのようなことが実現できるのでしょうか?
医療の質を上げること、そしてそもそも医療が届いていない方に対して届けることの二つを実現できると考えています。
専門性が高い医師が、どんな地域にも満遍なくいるわけではありません。地域によってかなりの偏りがあるので、「専門医に最初から見てもらえたら、後遺症が残らなかったのに、こんなに重症化しなかったのに」というケースが起こってしまうわけです。
地域によって受けられる医療の質が変わらないよう、専門医とその地域の医療機関を繋ぐことで専門性を上げ、医療の質を上げていく。それを、弊社の提供するシステムを活用することで実現したいと思っています。
また僻地、特に離島では本土から週に1回診察のために医師が船で診療所まで来るケースがあるのですが、ただでさえ診てもらえる機会が少ないのに、悪天候で交通手段であるフェリーが動かないと、その週に一度のチャンスもなくなってしまう。それによって「本当は早く受診できたはずなのに……」という状況が発生してしまっています。なので、本土にいる先生とシステムを通じて診療を受けられるようにするという取り組みもしています。医療とのタッチポイントを増やしていくイメージですね。
倉光さんは、その中で具体的にどのような業務を担当しているのでしょうか?
入社してからしばらくは、マーケティングと営業を担当していました。
そもそも“DtoDの遠隔医療”に対する認知はあまり高くないので、それを丁寧に説明できるように販促資料を作ったり、ウェビナーイベントを開催したりと、価値を感じていただいた先生から他の先生に対して啓蒙していただくような活動をしていました。加えて、こういった活動の中で興味を持ってくださった先生に対しての営業も担当していましたね。
私が入社してすぐ、2021年12月に製品がリリースされ、当初は少人数で周りの動きを見ながら足りないところを補完しあって仕事をしていたのですが、ようやくリリースから1年経過し、役割が明確化してきたこともあり、2022年10月から正式に営業推進として働いています。
具体的には、医療の質を上げる・医療へアクセスしにくい方へ届けることを実現するため、特にニーズの高い領域を探したり、先生方が導入しやすいような方法を考えたり、助成金を活用することで導入ハードルを下げたりといった、製品普及に向けた活動を日々試行錯誤しながら提案、実行しています。
ワクワクするのは事業を自分たちの手で進めていると感じられること
サービスを提供する中で面白さを感じるのはどんなところですか?
営業の案件も持たせてもらっているのですが、より良い医療のあり方に常に向き合われている先生方は、新しいことをやろうと考えている方が多いと感じています。
お話させて頂く機会のある先生方は、現状の医療提供の仕方に課題を持っており、それを改善する手段のひとつが遠隔医療なのではないかと考えてくださっています。そういった先生方にサービスの価値を感じていただき、先生が描くビジョンの実現に少しでも関わらせていただけることに、とても刺激をもらっています。
医師の先生方は遠い存在という認識がありましたし、正直「普通に話していいのだろうか」と緊張しながら接していたのですが、“パートナー”として見てくださっています。そう感じること自体がワクワクしますね。
あとは、社内でいうと、「失敗してもいい」とチャレンジすることが評価されるような文化であることが特徴です。個人的に、新規事業に取り組むのが初めてなので、自分が今まで想像もしていなかったような進め方の選択肢が出てきたり、それを任せてもらえたりなど、自分たちの手で進めていることを肌で感じられていて面白さを日々感じています。
“どんどん助けを求めにいく気持ち”を大切に
実際に働いていて、チームはどのような雰囲気ですか?
変に気を使うことなくオープンに問題提起ができ、議論できるチームですし、投げられた課題に真摯に向き合ってくれるメンバーばかりです。
現在、チームメンバーが10名を超えてきているところで、医療業界の経験がある方とない方が大体半分ほどという割合です。
製品をリリースする前は、医療バックグラウンドのあるメンバー中心に引っ張っていってくれる形でしたが、最近は医療経験のない方も、各領域での強みを存分に発揮し、チームで事業を進めていて、バランスが保たれているように感じています。
そういった環境で働く上で、どんな心構えがあるとより仕事を楽しめると思いますか?
どんどん助けを求めにいく気持ちを持っておくことが大切かなと思います。
弊社には、困ったことを聞けるSlackチャンネルがあるのですが、「こんなこと聞いてもいいのかな……」と恐る恐る尋ねたことに対しても、「こういう視点もあるよ」「こういう情報もあるよ」と、びっくりするようなスピードで返してくれるんですね。
頼ることで自分の仕事も早く進むし、お客様に対しての価値も上がる。さまざまな分野のプロフェッショナルが集まっているからこそ、他の人を頼る気持ちを持っておいた方がいいのかなと思います。
「誰かがやってくれるからいい」ではなく「自分でハンドルを握る」
働く上で意識していることや大切にしていることはありますか?
BXで定めているバリューの「COTS(※)」は大事にしています。
※「COTS(コッツ)」
・Customer insights:顧客目線で考え、顧客にとって良いサービスや組織づくりをすることに想いを注ぐ
・Ownership:オーナーシップ、当事者意識を持って業務を推進する
・Team grit:チームのリソースを目標達成のために最大限活用し、最後までチーム一丸となって粘り強くプロジェクトを完遂する
・Start dash:まずは挑戦することをいとわず、失敗してもすぐ次のアクションに繋げる
その中でも「オーナーシップ」は、これまでのキャリアで私が大事にしてきたものです。
前職で「オーナーシップとリーダーシップは常に大切に」「マネジャーだからリーダーというわけではなく、どんな職階でもオーナーシップを持って行動し、リーダーであれ」という上司のもとで働いていたことがあり、主体的に物事を考えるよう意識するようになりました。
「誰かがやってくれるからいい」ではなく「自分がハンドルを握っているのだ」というマインドだと、緊張感と責任感が生まれてきますよね。しっかりと考えて進めなければという意識がつくので、働く上で大切にしています。
フェーズにこだわらず0から100まで経験したい
倉光さんの今後の展望、目標を教えてください。
遠隔医療に強い興味を持って入社したので、まずはこの事業をスケールさせるところまでやりたいです。0から100までのフェーズを経験したいと思っています。
やっと0→1フェーズの卒業が見えてきた段階で、次は1→10フェーズの部分に取り組んでいきます。例えば、導入によって見込まれる効果の測定を仕組み化するような取り組みを進めています。営業推進のミッションとして、サービスに価値を感じてくださる方に、より納得感を持っていただけるようなエビデンスを提示できるようにし、導入の後押しにつながる流れを作っていきたいと考えています。
チームとしては、強みを発揮しあえている今のチームがとても好きなので、この雰囲気を大切に、成長していきたいなと。
そして、発足当初「アメーバみたいな動き方をしてね」と言われたことがとても印象に残っていまして。穴があればそれを埋めていけるような、困っていることがあったら相談してもらえる存在としてチームを支えていきたいなと思っています。
個人的にチャレンジしたいことはありますか?
何を検討すべきかも見えないような状況からひとつずつ組み上げていく、事業を形にしていくこと自体が、私にとって大きなチャレンジになっています。
チャレンジの最中なので、吸収して、自分でもまた再現できるようになりたいですね。大変ですが、とても良い環境にいられていると思います。
最後に、入社を考えている方へメッセージをお願いします。
やりたいことを尊重してくれて、かつ失敗を恐れずに挑戦することが良しとされているのがBXの文化です。何か行動したいと思っている方にとって、実現するフィールドとして素晴らしい環境が整っていると思います。
そんな環境で、一緒に挑戦してみませんか? ぜひお待ちしています!